佐野涼弥・浦和学院

今回は浦和学院高校の二本柱のひとり、サウスポーの佐野涼弥投手を紹介します。

これまで甲子園の出場経験はなく、今春はケガで出遅れてしまった佐野投手。ドラフト候補には挙がっているものの、まだその能力の全容を見せていないのではないでしょうか。

そんな可能性を秘めている佐野投手のドラフト進路や評価を各球団の視察からチェックしていきます。

どうぞご覧ください!

スポンサーリンク

佐野涼弥の球速・球種とこれまでの実績

セットポジションから全身を使った躍動感のあるピッチングフォームで投げ込むストレートは最速141kmをマーク。

またストレートと同じ腕の振りで投げる縦のスライダーを武器に狙って三振が取れます。他にスライダー、カーブ、チェンジアップを持っています。

1年生の春からベンチ入りをし、同年秋から先発で投げるようにもなり埼玉県大会と関東大会をあわせて36イニングで49個の三振を奪いました。

特に県大会準決勝の浦和実業高校戦では7回コールドながら5連続を含む14三振を奪い、被安打1、外野に飛んだ打球はわずかに2本と好投を見せました。

しかし関東大会の初戦、強豪横浜高校と対戦した時は先発で投げるも、5イニングでヒット10本を浴び4四死球7失点と課題を残した結果に。

翌2年生の春の埼玉県大会では主にリリーフとして27.1回で41奪三振と活躍!

チームも埼玉県大会を制し、そのままの勢いで挑んだ関東大会では全4試合に投げ、11.1回17奪三振で失点0と見事な火消し役を演じ、チームにいい流れを呼び込み2年ぶり6度目の春の関東王者への立役者の一人として活躍しました。

しかし、夏の埼玉県大会で再び課題を突き付けられました。

決勝までの成績としては18回を21奪三振と、いつものように投球イニングを上回る三振を奪ったものの、のちに夏の甲子園を制した花咲徳栄高校の前に伝家の宝刀である縦のスライダーをことごとく見極められ6四死球1失点。

縦のスライダーに手を出してくれないことから気持ちが焦ってしまい、コントロールに乱れが生じてしまう弱点が再び露呈してしまいました。最後の夏だけではなく佐野投手がピッチャーとして投げ続ける以上、精神面での修正は必須となっていきそうです。

そして新チームで挑んだ秋の埼玉県大会では、3回戦の春日部東高校戦で6回12奪三振、市立川越高校戦では5回10奪三振と好投しましたが、近年、公立高校の中でも私立高校と接戦を演じることが多くなった市立川越高校の前に打線が沈黙。

ベスト8で涙を飲みました。

そしてこの後、佐野投手は肩を痛めてしまい、春の関東大会でベンチ入りはするものの登板機会はありませんでした。しかも最後の夏の背番号は20番。やはり故障の具合も気になりますが、何とか元気な姿を見せてもらいたいものです。

ドラフト進路先情報!各球団の評価

続いて、縦のスライダーを武器に狙って三振をとれる佐野投手の今後も気になるところですよね!

そこで気になるドラフト進路先となる各球団の評価について見ていくことにしましょう。

特に若手サウスポーの芽が出ていないチームからすれば、佐野投手のような狙って三振をとれるタイプは本当に欲しいと思います。

そんな佐野投手のことを注目する球団をピックアップしていきます!

日本ハム

まずは日本ハム。

とにかくチーム状況としてはサウスポー不足。

宮西投手が史上40人目の600試合登板達成という明るい話題があったものの、サウスポーとしては公文投手との2枚リリーフで踏ん張っています。

先発も加藤投手が孤軍奮闘していますが2017シーズン同様に失点が多く、貯金が作れるかどうか微妙なところで、左の台所事情は極めて厳しい状況にあります。

このような状況ならなおさら佐野投手のような先発から抑えまででき、かつ狙って三振を取れるタイプは喉から手が出るほど欲しいはずです。

今成スカウトは、

「(ピッチングに関して)ボールが強い。スライダーに自信を持ったピッチングをしている」

と絶賛。佐野投手のバッティングも評価していたものの、チームの現状を考えれば投手として迎え入れたいと考えていいのではないでしょうか。

CHECK!日本ハムドラフト予想2018!指名されそうな候補選手一覧 

広島

そして広島。

意外にもジョンソン投手以外、サウスポーで目に付く投手がいない広島。飯田投手、佐藤投手、そして2016年ドラフト2位の高橋投手が少しずつ芽を出そうかという状況で、若手サウスポーにはまだまだチャンスがありそうなチーム状況です。

そういった意味では、左の先発がジョンソン投手、左の抑えが佐野投手という使い方ができるのではないでしょうか。

苑田スカウト部長も2017年の時点で、まだ2年生を全体的に見ることができていなかったにもかかわらず佐野投手の名前を挙げていましたので、能力の高さは際立っているものと推測できます。

広島に入団した場合、同郷の佐藤投手、埼玉県でライバル校にある花咲徳栄高校出身の高橋投手がいる環境ならば、サウスポー同士ということも含めてチームに馴染みやすいかもしれませんね。

CHECK!広島カープドラフト予想2018!指名されそうな候補選手一覧 

ロッテ

最後にロッテ。

佐野投手に関するロッテのスカウト情報はつかめていませんが、サウスポー不足であることは否めず、セットアッパーの松永投手が何とか踏ん張っている感じでしょうか。

2017シーズンのチーム防御率は12球団で最下位。2018シーズンは昨シーズンほどではないものの被安打数が多く、まだまだ気が抜けない状態です。

こういうチーム状況から脱するには、やはり若手の活躍が一番! 近年の広島やDeNAを見れば一目瞭然ですよね。

ロッテが日本一、アジアシリーズで優勝した2005年は、渡辺投手、西岡選手、今江選手、サブロー選手、里崎選手など20歳代の若手が活躍した印象が強く残っています。

佐野投手が入団して活躍することができれば、ベテランも若手も「新人には負けられない!」という気持ちが出てきて、チームが活性化されるのではないでしょうか。

CHECK!ロッテドラフト予想2018!指名されそうな候補選手一覧 

まとめ

ここまで、2018年ドラフトで注目される投手のひとり、佐野投手のドラフト進路や各球団の評価、チェックについてまとめてみました。

やはり佐野投手のケガの状態は気になりますが、縦のスライダーを武器に狙って三振を取れる点は、現楽天の松井投手と重なります。

しかし、重なるのは良い面だけではなく、力投派に見られるコントロールの課題面も重なってしまいます。とはいえ、ポジティブに考えればその分の伸びしろもあるということ。

最後の夏に自分の能力をどれだけ発揮できるかがキーポイントになりそうですが、そういった面も含めて佐野投手の今後の動向から目が離せませんね!