2017年ドラフトで7球団が競合して日本ハムに入団した清宮幸太郎選手
野球をあまり知らない人でも高校時代からその名は誰もが知る存在でありますが、すでに高卒1年目から1軍でプレーする清宮幸太郎選手の2018年現在の評価について迫ります。
売りは打撃ですが、守備は高校時代からそこまで評価されていたわけじゃありません。
今回はあえて、打撃と守備の弱点について迫ります。
ぜひご覧ください!
清宮幸太郎の2018年現在の評価は?
春季キャンプから清宮選手が動けば報道陣が動くほどの賑わい。はたして注目通りの力を見せているのでしょうか? それともプロの洗礼を浴びているのでしょうか?
そんな注目の中、清宮選手のスタートは決して順調なものではありませんでした。
1月の新人合同自主トレ中に右手母指基節骨骨挫傷と診断され、春季キャンプの第2クールまでバットは一切握らず守備練習に時間を費やす日々。第3クールでやっとバットを手にし、その初日には素振りを30本、ティーバッティングを20本行い、清宮選手も「やっぱり、うれしかったですね」とコメントしていました。
最終クール初日には皆が注目する中、フリーバッティングを行うと57本中サク越え14本、うち5本は場外と清宮選手らしさを見せたバッティング。
そして1年目のオープン戦、成績は19打数ノーヒット、四死球4、三振8という成績に終わり、しかもオープン戦期間中に限局性腹膜炎を発症し緊急入院。2018シーズンのスタートは二軍からのスタートになりました。
ここまでの結果だけを見ますと、ノーヒットやケガなど実績を残せず、順調にシーズンを迎えることができなかったため、あまり良い評価を得ることができないのではないかと思いきや、そこは清宮選手。周囲の見方も違います。
注目される打撃に関しては「そんなに心配をする必要はないのではないか」との声が少なくありません。
例えば、松井秀喜氏もプロ1年目のオープン戦は、53打数5安打で打率.094、20三振と苦しみました。
また清原和博氏もオープン戦の打率は.220でホームランは0本と、後に大活躍する高卒ルーキーは、今までも1年目のオープン戦は苦しんできたため、そんなに心配する必要がないのではないかという評価です。
たしかに、二軍での成績は打率こそ.220と上がらなかったものの、15試合で4本塁打を放ち、5月1日に一軍に昇格すると5月9日にはプロ初ホームラン、さらには一軍デビューからの連続試合安打「7」という記録を残し、評価も上昇中!
守備に関しても、まだ守備機会は少ないものの無難にこなしており、マイナス評価はあまり聞こえてきませんので、攻守ともに無難なスタートを切ったと言えるのではないでしょうか。
打撃は1軍レベル?
高校通算本塁打111本の記録を持つ清宮選手。
そのバッティングはプロ野球で通用するのでしょうか?
高校時代から、その成績と記録からホームランバッターのイメージがある清宮選手ですが、ミート力と選球眼の良さも卓越したものがあります。
それが証明されているのが、高校公式戦通算70試合で247打数100安打、打率.405、本塁打数29本、95打点という成績ですね。その良さはプロに入ってからも活かされているのではないでしょうか。
2018シーズンに入ってからは前述のとおり、二軍でホームラン4本と一軍でもホームランを放ちました。
失投はあまり見逃さず、初ホームランもそうでしたが甘いボールは振りに行ってミートできているので、これから相手投手に慣れてくれば、打率も上がってくると考えています。
また選球眼は、ノムさんこと野村克也氏も某番組で「見逃し方が良いね」と言っていましたが、個人的にもしっかりとボールを見ることができているのではないかと。
打席での構えも高校当時より落ち着いた感じに見えますね。高校当時は投球を待つ時にバットを上下に動かしていましたが、今はバットを立て、プロのピッチャーへの対応ということもあるかと思いますがしっかり待つ姿勢ができています。
逆に弱点としては縦の変化への対応が目につきました。
スライダーなどの横への変化には対応できていますが、チェンジアップやスプリットなどの変化には、まだタイミングがあっていません。
もしかしたら、縦に変化した時でもしっかり振り切っているので、ある程度割り切ってスイングしているかもしれませんので、もう少し様子を見ていきたいなと思っています。
デビューから7試合連続安打は紛れもなく才能の証です。
まだシーズンも序盤なので見る側の我々も、一打席一打席に一喜一憂するのではなく、今までにない対応ができているか否かという点にポイントを置いて見ていくと、面白いのではないでしょうか。
守備は下手と評判で現在は?
バッティングが注目されている反面、守備はどうなんだろう? DHでやっていくのかな?という点も気になりますよね。
キャンプの時の話題にもありましたが、キャンプインから第2クールまでを守備練習に充てることができたのは怪我の功名だったのではないでしょうか。
ベストナイン1回、ゴールデングラブ賞3回を受賞した名手、金子コーチの付きっきりの指導のもと、スローイングや捕球技術などプロで通用する守備の基本を繰り返し繰り返し行いました。
金子コーチは、
「試合に入ればプロの打球の速さ、走者の速さ、試合の展開の早さ、全てに付いていかなければならない。技術もそうだけど、頭のスピードも必要。それには実戦経験が必要だけど、まだそのレベルには至っていない」
と指摘しました。これらを克服するには、まずは試合に出て守備につかないことには話になりません。
そこで、清宮選手がスタメンとして出場していくのに必要な3つの可能性を考えてみました。
- DHで出場 高校ではファーストを守っていましたが、現状日本ハムのファーストは中田選手ですので、中田選手が今まで同様ファーストを守り、清宮選手がDHに入るというパターンです。
- ファーストで出場 中田選手がDHに入り、清宮選手がファーストを守るパターン。経験のあるファーストであれば、0からのスタートではないので他のポジションを守るよりはいいのではないでしょうか。
- ファースト以外のポジションで出場 清宮選手が守れそうなポジションを考えてみますと、捕手は清水選手と鶴岡選手、サードはレアード選手、ショートは中島選手、セカンドは固定されていませんが正直難しいかと。。。
では外野に目を向けると、西川選手と調子のいい大田選手は外せないので、残り1人の枠に入る感じですかね。実際、外野の守備練習も始めたとのことで、チームとしても本格的に外野手としての可能性を探っているのではないでしょうか。
ただ、守備範囲、肩の強さはまだまだといったところなので外野で守れてもレフトのみになるでしょう。
阪神元二軍監督でホームラン王3回、ゴールデングラブ賞6回受賞した掛布雅之氏は
「プロで生き残るのは守備力」であると言い、その理由は、「守備は野球ではとても大切なんです。野球というスポーツは、基本的に27個目のアウトをとったときにゲームセット。その瞬間までグラウンドにいられる選手が真のレギュラーと言えるんです。王貞治さんだって、長嶋茂雄さんだってそうだったでしょう。だから将来性のある若い選手には守備も打撃も両方こなせるようになってほしいんですよ」
と言っています。
たしかに、松井秀喜氏や清原和博氏もそうでした。ファンとしてもチームの核となる人のバッティングは、4打席でも5打席でも見たいですからね。
現状、栗山監督としても、様々な可能性を探りながら起用しているのではないかと思います。
今は打撃が注目されているので、守備の評判というのはあまり聞きませんが、守備が下手というよりも、これから経験を積んで成長できるか否かと言ったところではないでしょうか。
まとめ
ここまで清宮選手の2018年現在の評価や、打撃と守備の弱点などについてまとめてみました。
現状そこまで華やかな結果は残していない(デビューから7試合連続安打は立派と思っています)ものの、三振も凡打も守備も、どこかこれからの可能性を感じられるような雰囲気があるのが本当に不思議ですね。
清宮選手が比較される選手は皆、プロ野球の歴史に名を刻んできた人ばかり。
それらの選手と肩を並べられる日が来るかもしれない、その瞬間を楽しみに、これからも清宮選手の成長を見続けていきましょう!