巨人の歴代人的補償選手

プロ野球ストーブリーグの目玉といえばFA移籍。

FA移籍がもっとも多い球団といえば資金力のある巨人ですよね。

巨人歴代FA補強の一覧まとめ 

FA移籍の権利を取得した選手のランクによっては下記の通り補償制度が設けられています。

金銭補償 – 移籍先球団は旧年俸の80%(2度目以降のFAでは40%)を前球団へ支払わなければならない。
人的補償 – 移籍先球団は前球団が指名した上記の獲得制限外の選手1名を与えなければならない。

ただし前球団が求めない場合は、旧年俸の40%(2度目以降のFAでは20%)を前球団へ支払わなければならない。

今回はそんなFAの獲得選手が多い巨人から「人的補償になった歴代選手」と「当時FAで巨人が獲得した歴代選手」にピックアップしてみました。

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目次

【巨人⇒日本ハム】巨人の歴代人的補償【1995年】

1996年からFAで日ハムから移籍した河野氏。

その人的補償で川邉氏が日ハムへ移籍しましたが実はFA制度が始まって以来初めての人的補償という方法が使われたのがこの河野氏のFAでした。ということで早速この2人を見ていきます。

人的補償:川邉忠義

日本ハム移籍後の成績:17登板1勝3敗防御率4.89

巨人からドラフト2位の指名を受けプロの世界へ。1軍登板無しで人的補償として日ハム移籍しました。日ハムでの勝利は移籍後のシーズンにあげた1勝のみ。

その後は主に中継ぎとして活躍し移籍後初めてのシーズンは17登板を果たしました。それ以降のシーズンは一度も登板なく97年のオフに自由契約となりそのまま引退となりましたね。

ちなみに川邉氏の年にドラフト指名された選手はもれなく全員日ハムか近鉄に移籍したようです。

FA移籍:河野博文

巨人移籍後の成績:108登板10勝4敗防御率4.11

ドラフト1位で85年に日ハムへ入団。

1年目から1軍へ定着し活躍。96年にFAで巨人へやってきました。日ハムでは先発兼リリーフとして活躍してきましたが巨人ではリリーフ専属として奮闘。

1年目から3年目までは防御率3点台から2点台と安定した活躍を見せました。それ以降は若手の台頭もあり登板数が減り99年に自由契約となりロッテに移籍しました。

そして2000年オフに引退で現役生活を終えましたね。現在は玉ねぎを育てて第2の人生を送っているようです。

【巨人⇒中日】巨人の歴代人的補償【2001年】

中日時代の山田久志投手コーチとそりが合わず、星野仙一氏が監督を辞任したことにより山田久志氏が監督になるという人事から、前田氏がFAを宣言し巨人に移籍することとなり成立したこのFA。早速見ていきますね。

人的補償:平松一宏

中日移籍後の成績:24登板6勝5敗防御率4.37

98年ドラフト8位で巨人へ入団。

目立った活躍はなく2001年に前田氏のFAに伴い人的補償で中日に移籍しました。学生時代に憧れた今中慎二氏の背番号14を受け継いでいましたね。

2003年にはローテーションの谷間で登板することが多くなり11試合に先発で5勝3敗とまずまずの成績を残しました。2004年は3試合の登板に終わり2005年には登板数が0となりオフに引退しましたね。

FA移籍:前田幸長

巨人移籍後の成績:240登板11勝8敗4セーブ12ホールド防御率3.80

89年にドラフト1位でロッテへ入団しプロの扉を叩いた前田氏。96年にトレードで中日に移籍しました。中日では主にリリーフとして活躍しましたね。

チーム事情もあり先発することもありましたがリリーフ転向後は防御率が2点台から3点台と安定しチームにとっても重要な選手となりました。

巨人移籍後はリリーフ専属となり苦しい中継ぎ事情を支え活躍しましたね。2008年にはメジャーに挑戦するも昇格は果たせずそのまま引退となりました。

【巨人⇒中日】巨人の歴代人的補償【2005年・その1】

中日の生え抜き選手としては初の国内FAとなった野口氏。中日に野口ありともいわれ19勝を挙げた年もあった野口氏ですがFA時には中日から止められることもなく巨人に移籍しましました。それでは見ていきましょう。

人的補償:小田幸平

中日時代の成績:78安打、打率0.191、1本塁打、29打点

97年ドラフト4位で巨人入団。

守備の評価は高く即戦力と言われていましたが打撃に難があり3番手捕手という位置づけでした。

中日では山本昌氏の登板時にマスクを被ったり谷繁氏がWBCや怪我で離脱した時などマスクを被ることが多くなり巨人時代よりも出場機会が増え本人にとっては移籍は良かったのではないかと思います。

現在では独立リーグでコーチをしていますね。

FA移籍:野口茂樹

巨人時代の成績:32登板1勝1敗4ホールド防御率4.73

92年にドラフト3位で中日へ入団。ノーヒットノーランを達成したり最優秀防御率のタイトルを獲得したり順風満帆でした。2006年にFAで巨人へ移り1年目はわずかに1登板に終わりました。

2年目はリリーフとして返り咲き31登板を果たしましたが翌年は初のシーズン登板0となり自由契約。その後独立リーグなどを経験し引退しました。

【巨人⇒西武】巨人の歴代人的補償【2005年・その2】

西武の守護神豊田氏が巨人に移籍することになり少し驚いた記憶がありますね。

最多セーブのタイトルも、獲得していましたから西武にずっといるものだと思っていました。当時は結構大型の移籍で人的補償の江藤氏も実績ある選手でしたね。FAで移籍してきた選手を人的補償に使ったのは初のケースでした。では見ていきましょう。

人的補償:江藤智

西武移籍後の成績:80安打、打率0.217、15本塁打、54打点

広島時代には本塁打王を獲得するなどスター選手として活躍し巨人へFA移籍。

当時の長嶋監督から受け継いだ33番をつけて活躍しました。西武へ移籍する数年前から成績は振るわず人的補償要員になってしまいました。西武に移籍しても衰えは隠せず目立った活躍をすることはできませんでしたね。

FA移籍:豊田清

巨人移籍後の成績:197登板、9勝14敗22セーブ71ホールド、防御率3.12

元西武の守護神。2年連続セーブ王を獲得するなど西武の一時代を支えましたね。巨人時代は救援失敗も目立ち中継ぎに配置転換されたりもありました。

抑え中継ぎと何でも屋のようなポジションにもつき活躍したシーズンもあり日本一も経験しましたね。2010年に戦力外通告を受けた後は広島に1年在籍し現役を引退となりました。

【巨人⇒横浜】巨人の歴代人的補償【2006年】

現ソフトバンクの工藤監督とSKワイバーンズやサムスンでも活躍した門倉氏のFA。

横浜から低い評価を受け恩師の元監督牛島氏の解任もありFA権を行使しました。メジャーとの契約の話もありましたが原監督からのラブコールで門倉氏は巨人入りすることになりましたね。見ていきましょう。

人的補償:工藤公康

横浜移籍後の成績:68登板、9勝11敗10ホールド、防御率4.65

200勝も達成したレジェンド。ゆったりしたフォームから繰り出されるあのカーブは驚異的でした。

西武、巨人、ホークスと3球団で日本一を経験し優勝請負人と呼ばれましたね。巨人では当時史上最年長での200勝を達成し41歳の時には23年目での初ホームランという最年長のホームラン記録も打ち立てていますね。引退した年は西武に1年在籍しました。

FA移籍:門倉健

巨人移籍後の成績:23登板、1勝7敗、2ホールド、防御率5.28

4度の二桁勝利、最多奪三振のタイトルを記録している門倉氏。

中日、近鉄、横浜、巨人、韓国リーグと複数の球団を渡り歩きました。巨人での成績は散々のもので2年間でわずか1勝に終わりました。横浜の試合ではブーイングを受けるシーンもあり本人としては苦い思い出が多い2年間だったのではないでしょうか。現在は中日のコーチとして活躍しています。

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【巨人⇒横浜】巨人の歴代人的補償【2011年】

横浜からFA宣言した村田氏。勝てるチームで優勝争いをしたいという気持ちで巨人への移籍を決めました。男村田の愛称で横浜でも愛された村田氏の移籍に悲しんだ横浜ファンも多かったのではないでしょうか?早速見ていきます。

人的補償:藤井秀悟

横浜移籍後の成績:37登板、13勝12敗、防御率3.59

ヤクルト時代には最多勝のタイトルを獲得している藤井氏。

ヤクルト、日ハムを経て巨人でプレーしました。日ハムからFAで巨人に来ましたが日ハムからクビだとイメージ悪いからFAしたことにしといてやると言われたそうですね。そこから巨人で2年間プレーしたあと横浜へ。現在は巨人のバッティングピッチャーをしているそうです。

FA移籍:村田修一

巨人移籍後の成績:765安打、109本塁打、391打点、打率0.273

巨人でも4番を打ち生え抜き選手以外で初の選手会長も務めるなど非常にチームから信頼されていた選手ですね。

打率3割も2度超えていたり巨人に移籍してから途切れることなく毎年2桁本塁打を放つなど活躍しました。大きな功績を残した村田氏ですが選手の若返りを図るというチーム事情から戦力外通告となってしまいましたが、現在は巨人のコーチとして活躍しています。

【巨人⇒広島】巨人の歴代人的補償【2013年・その1】

広島が大成功したと言ってもいい人的補償で取った一岡選手とラーメン大好き大竹選手のFA。移籍後の成績は対照的で一岡選手の年俸は2019年時点で大竹選手の約3倍となっていました。得たものより失ったものの大きなFAでしたね。見ていきます。

人的補償:一岡竜司

広島移籍後の成績:247登板、16勝13敗、6セーブ、81ホールド、防御率2.41

一岡選手の活躍は巨人にとっては嬉しくないものでしょうね。

そのくらい広島には欠かせない選手に成長しました。移籍後1年目から中継ぎで防御率0点台、2年目少し悪化しましたがその後は安定感があり広島移籍後の防御率は2.41と高いレベルのリリーファーとなりましたね。

まだ若いですしこれから脂も乗ってくる年齢になりますからここ数年でのさらなる成長に期待です。

FA移籍:大竹寛

巨人移籍後の成績:97登板、27勝21敗、防御率3.92

巨人1年目に9勝をあげてからは成績が下降し、年俸も下降してしまい1億円プレーヤーだった数年前と比べるとさみしいものになってしまいました。

今年はリリーフとして活躍し新たな境地を開拓し来年以降の心強いブルペン陣の1人として計算されていることでしょう。ベテランの巻き返しに期待ですね。

【巨人⇒西武】巨人の歴代人的補償【2013年・その2】

片岡選手のFAは驚きましたね。まともに活躍できなかった西武最後の3年間を、なかなかの年俸をもらいながらFA権獲得ですぐに巨人入りはちょっと印象が悪かったです。

結局脇谷もしばらくして巨人に戻ってきましたからこのFAはなんだったんだろうって感じでした。見ていきますね。

人的補償:脇谷亮太

西武移籍後の成績:123安打、5本塁打、42打点、打率0.279

低迷していた巨人を支えていた内野のユーティリティプレーヤー。

FAで巨人に移籍した片岡氏の背番号7を付け西武でもどこでも守れるユーティリティプレーヤーとして活躍しました。印象的には巨人に移った片岡氏よりも活躍したのではないかなと感じましたね。

2年西武でプレーしてまた巨人に戻ってきました。現役最終打席は2軍の試合で申告敬遠という珍記録でしたね。

FA移籍:片岡治大

巨人移籍後の成績:211安打、18本塁打、72打点、打率0.245

今年タレントのベッキーと結婚した片岡氏。

巨人時代は20盗塁以上あげてチームに貢献していましたが西武時代に比べると数は半減し打率も低下しました。期待された活躍はできず井端氏との併用で使われ2017年に引退。現在は巨人のコーチとして活躍していますね。

【巨人⇒ヤクルト】巨人の歴代人的補償【2014年】

正捕手だった巨人の阿部慎之助選手の一塁手転向を考える巨人が相川選手を取りました。横浜からFAしヤクルトからもFAという2度のFAを経験しましたが捕手としては史上初でした。見ていきます。

人的補償:奥村展征

ヤクルト移籍後の成績:69安打、2本塁打、21打点、打率0.212

当時のFAでの人的補償最年少でヤクルトへ移籍した奥村選手。

2年目での人的補償移籍は最短記録でした。まだまだ若く、伸び代がある選手で2019シーズンは自己最多の74試合に出場し徐々に1軍定着も見えてくるようになりましたね。一岡選手の時のように巨人をギャフンと言わせるような選手に育って欲しいです。

FA移籍:相川亮二

巨人移籍後の成績:47安打、4本塁打、24打点、打率0.264

アテネオリンピックやWBCといった国際試合でも活躍した相川氏。

打てる捕手として打率3割を超えた年もありました。巨人1年目は怪我もあり出場数が減少。2年目3年目は小林選手が台頭してきて出場が減りましたがチームにとっては必要な選手と評価され引退後にコーチ就任の打診を受けましたが勉強してからと辞退しました。現在は巨人のバッテリーコーチとして活躍しています。

【巨人⇒横浜DeNA】巨人の歴代人的補償【2016年】

横浜ファンからは出て行ってよかった、巨人ファンからはいらないなどと当時言われてた山口選手。中日からも獲得の話がありマネーゲームへと突入したこのFA。

結果中日が好条件を出して巨人が提示した金額を上方修正し巨人入団。横浜からブーイングを受けるなどきつい仕打ちにあいました。早速見ていきます。

人的補償:平良拳太郎

横浜DeNA移籍後の成績:32登板、11勝12敗、防御率4.11

まだまだ若い95年生まれの24歳。横浜移籍後は先発ローテで頑張りまずまずの成績を残しています。伸び代はまだまだあると思いますし横浜というのびのびやれそうな環境で巨人キラーにでもなってくれることに期待ですね。

FA移籍:山口俊

巨人移籍後の成績:60登板、25勝14敗1セーブ1ホールド、防御率3.47

2019シーズンエース級の活躍を見せ日本シリーズ大事な第1戦目を任されるほどの選手です。2019シーズンはFA投手史上最多の15勝をあげ、巨人史上最強のFA選手と呼ばれましたね。

4年契約の3年目ですが2019シーズンの活躍からして契約が切れた後も残留する可能性が高いと思います。最多勝、最高勝率、最多奪三振のタイトルも初受賞し移籍後では最高のシーズンとなりました。

【巨人⇒西武】巨人の歴代人的補償【2017年】

元モーニング娘の石川梨華を嫁にもつ羨ましい野上選手。巨人移籍で年俸が3倍にもなりました。パリーグでまあまあの投手でしたから結構セリーグなら活躍するかと思いきや、、、でしたね。早速見ていきましょう。

人的補償:高木勇人

西武移籍後の成績:10登板、1勝2敗、防御率8.59

巨人では1年目から9勝をあげ将来が期待された選手。しかし移籍後は10登板にとどまり2019シーズンは2試合登板にとどまりました。戦力外通告をうけましたが現役続行を希望。トライアウトも受験予定で今後の去就がきになるところですね。

FA移籍:野上亮磨

巨人移籍後の成績:38登板、5勝6敗1セーブ4ホールド、防御率4.53

年俸1億5000万の活躍はできてないですね。

辛口にはなりますがそもそも西武時代の成績から見てもそこまで高い評価がされるような成績ではなかったと思うんです。先発として期待されていましたが調子が上がらず現在は中継ぎとして起用されていますね。契約最後の年ですから来年は頑張って欲しいです。

【巨人⇒広島】巨人の歴代人的補償【2018年】

2018のFAで1番注目度が高かった丸選手のFA。そしてまさかの長野選手がプロテクトにかかっておらずファンも大きな衝撃を受けました。見ていきますね。

人的補償:長野久義

広島移籍後の成績:45安打、5本塁打、20打点、打率0.250

長野選手の人的補償には驚きましたね。

巨人でやりたいと言い続けようやく入った巨人から裏切られる形での人的補償となりました。年齢的にも選手としてピークを迎えているといえタイトルホルダーですしチームの顔とも言える選手でしたので驚きでした。広島移籍後は8月まで調子が上がらずでしたが9月は打率3割で調子を上げました。来年も一緒にと球団から言われていますがどうでしょうかね。

FA移籍:丸佳浩

巨人移籍後の成績:156安打、27本塁打、89打点、打率0.292

5年推定25億5000億という大型契約で巨人へ移籍した丸選手。期待通りの活躍で3割近い打率に加えシーズン通して怪我もなく試合に出続けました。チームにも溶け込み早くも欠かせない選手になっています。来年以降の活躍も期待され最強のFA選手になるか注目ですね。

まとめ

以上、ここまで歴代の巨人の人的補償選手と巨人が獲得した歴代選手をまとめてみました。

人的補償でもっとも印象的だったのが2018年オフに丸佳浩選手をFAで獲得⇒人的補償として長野久義選手を放出したことじゃないでしょうか。

プロテクトの枠は28選手と限られていますが、ベテランとはいえ、長野久義選手といった偉大な選手をプロテクトから外すところが巨人の特徴ともいえます。

今後も巨人はFAでいろんな目玉選手の獲得に動くことでしょうから、こういった人的補償選手も今後も注目されますね。